童貞の品格

つれづれなるままに、日暮し、硯に向かひて、心にうつりゆくnoblesseごとを、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。

ぼくだけのゴールデンウィーク(下)

4/24 Mon.

ビュッフェでおっさんにドレッシングぶっかけられて始まる1週間。

ドレッシングの容器が詰まっていたのを無理やり出そうとして暴発した様子。

ドレッシングの詰まりは2日前から分かってたし、おっさんがドレッシング出にくそうにしてるのも見えてたから、避けれた仕上がりだったな…と反省。

 

他人に仕上げられた時は無理矢理にでも自分の落ち度を探して、避けられた道はなかったかを分析する。

イライラに使うエネルギーを原因分析に使って無意味なストレス蓄積を回避しつつ、今後の仕上がり回避に繋げる一石二鳥。ここまでの人生で習得したメンタルマネジメント術の一つ。

 

 

この日の夜は初日に行った大分郷土料理店で、本社からの出張者3人+工場側の関係者3人で懇親会。

写真なし…この日こそ関アジ・関サバが食べれるかと期待したが、コースだったこともあり食べれず…

 

 

 

4/25 Tue.

この日は大分の同期全員(6人)が歓迎会を開いてくれた。

入社直後の技術研修でほぼ全ての講義で質問しまくっていた結果、ほぼ全ての同期に名前を覚えられており、大分行くよと伝えたら皆集まってくれた。(なんと奢り。神!オワンクラゲ!)

研修でそのような意識高いことをした理由は色々あるが…一番は、世の中で実用的に使われているレベルのエンジニアリング技術は面白えなあという、単純な知的好奇心からくるもの。

 

 

高校の時の担任が話していた、当時聞いてもジョークとして面白く、学問を納めた今思い出すと意外と深いなと感じる話があるのだが…

我々の生活に最も身近な(実用的な)学問として「医学」を例にとり、医学を突き詰める(基礎まで辿る)と「生物」にあたり、生物を突き詰めると「化学」にあたり、化学を突き詰めると「物理」にあたり、物理を突き詰めると「数学」にあたり、数学を突き詰めると「哲学」にあたり、哲学を突き詰めると頭がおかしくなってまた「医学」の世話になる、という話。

確かにこれまでの経験でも、実用から掛け離れた基礎レベルの学問は頭がおかしくなるほど難しくつまらない。実用に近づくほど面白く、テンション上がることが多い。

 

 

なぜ理系は数が少なく、これほどまでにオタクが集結するのかと、一度考えたことがある。

理系の学習カリキュラムは、小→中→高と基礎的でつまらない算数・数学を学び、大学でようやく実用レベルの工学になってこれまでつまらない数学を学んできた意味を伏線回収、気持ちよくなれる構造になっている。

小→中→高の間に「何故こんな事学ぶ必要がある?」などと考えず、ただ数字をこねくりまわしたり、動く点Pを追いかけ回すことに楽しみを見出せる少数のゲエジしか、大学まで生き残れないのだろう。

 

 

 

話が逸れに逸れたが…このお店でようやく関アジ・関サバにありつけた。

 

関アジ・関サバは大分県愛媛県の間の豊後水道という、豊富なプランクトンと特殊な海流の海域で育ち、一本釣りされたアジ・サバのことを言う。

 

ゲエジの見本市と称される神漫画「翔太の寿司」に出てくる黄金のサバはこれが元ネタだろう

(寿司コンクールの対戦相手に築地中の光り物を買い占めされた翔太は、黄金のサバを求めて船の墓場と呼ばれる危険な海域へ命懸けのサバ漁に向かう)

 

 

通常サバはアニサキスやらで刺身で食べることはできないが、関サバだけは刺身で食べることができるらしい。

 

正直ここで出てきたのは量が少ない(1人1切れずつ)のと、会話に夢中で脳死で食べてしまったのであまりどんな味だったか覚えていない…やたら歯応えは良かったような。どこかでまたちゃんと食べたい。

 

 

ここで〆に食べたりゅうきゅう茶漬けが、信じられないほどの美味さだった(写真なし)。

同期もそれを食べにここに来たと言うほど。

 

大分郷土料理の店はどれも雰囲気がいい。

帰りに部署おじリストのラーメン屋に行って、ホテルに帰った。

(とんこつラーメン。まあ普通)

 

(帰りに見つけた珍しい焼き芋の自販機)

 

 

 

 

4/26 Wed.

この日は出張に同行してる約60歳のおじと2人で、部署おじリストの海鮮料理屋に行った。

なにやらぼくの上司がこのおじに、ぼくに美味いものを食べさせるようにと裏で手を回してくれたようで、この日以降たくさん夜に誘われるようになった。

 

60おじも結構なグルメで、カバー範囲は焼肉とラーメン(以下焼肉おじと呼称)。この出張ではじめて知り合ったが、その前から安さの割にありえない美味しさのお肉を出す焼肉屋に連れて行ってくれる人として噂で聞いていた。

その焼肉屋はこの焼肉おじと行かないと美味しい肉を出してくれないらしく、一度焼肉おじに連れて行って貰った人があまりの美味しさに感動し、後日奥さんを連れて2人で行ったところ出てくる肉の質が違いすぎて驚いたと言うほど。

この出張が終わったら連れて行ってくれるとのことで非常に楽しみ!

 

お通し:ブリのりゅうきゅう

お通しでりゅうきゅう出てくるの嬉しすぎる。

(りゅうきゅうに使われる魚はアジ・ブリ・サバなど)

 

刺身盛り、天ぷら、椎茸焼き、ハマグリバター

刺身が美味すぎた。とくにアジ。大分のアジは本っっっっ当にうまい。住みたい。

 

海老の唐揚げ

天ぷらじゃなくて唐揚げ?と思ったが、めちゃくちゃに美味い。こんなに美味い海老は初めて食べた。

 

サザエの壺焼き

初めて食べたが、あまり美味しさを理解できず…。マックの方が美味い。

 

 

シラスだし巻き

うまい…こういう一品物の惣菜系が美味しいときが一番心震える。

 

 

このお店には関アジ・関サバの活け造りがあったが各6000か7000円と高いのと、2人でまるまる一匹は多いと言う話になって見送った。

 

この出張で行った店の中ではここがナンバーワンだった。2人で14000円くらい食ったが焼肉おじの奢りおーーーけーーーーーーー!

お互いまだ腹に余裕があったので、同期おすすめのラーメン屋に行くことに。

 

大分のラーメンは博多っぽいのが多い。ここはかなり満足の美味しさだった、

焼肉おじが、引くレベルの滝汗を流しながら激辛坦々麺を啜っていてワロタ。

 

 

さっき奢ってもらった分、ここの支払いはぼくが持つことになった。

以降、1軒目は焼肉おじの奢りで高めのいい店に行って部署おじリスト消化・満足度補給し、2軒目にぼくの奢りでラーメンで腹を満たすというルーティンが確立された。

奢られっぱなしはさすがに申し訳ないから、このくらいの関係がいいね。焼肉おじは酒を一滴も飲まないから、こっちも無理して飲まなくて良くて最高だ。

 

 

 

 

 

4/27 Thu.

この日は先日の懇親会で仲良くなった同期がまた飲みに誘ってくれた。

他の同期は皆仕事が忙しく、今日はフル残業しなきゃいけないとのことで、集まったのは3人。ドカチンブラック恐ろし…

 

まだ関サバ・関アジをちゃんと食べれていないから食いてえ!と言ったら、大分駅から電車で10分の鶴崎(彼らの寮がある)の海鮮居酒屋をセットしてくれた。

大分の同期は全く酒を飲まない人が多く、その他もその人たちに対する理解がある為、しょうもない飲みの強要などなく素晴らしい。

 

念願の関アジ・関サバの姿造り。これだけで10000円くらい。

ドライアイスがモコモコの上にド派手に盛り付けされていてテンション爆上げ。

どちらも身がブリンブリンでものすごい歯応え。サバの刺身は初めてだから本当にこれがサバか?と思う。が、やはりアジの方が好き。

魚の底知れぬ美味さに、3人で溜息つきながら噛み締めるように食べた。

 

お造りの残骸でアラ汁を作ってくれた。うれしい。

白味噌赤味噌と選べたが、満場一致で赤味噌に。

 

 

その他にも欲望のままに食い物を頼み続けたが、面白かったのは芽にんにくの天ぷら。

クレイジーソルトみたいなのに付けて食うとウマイ!

最近天ぷらは塩で食う方が美味い気がしてきた。

 

 

大大大満足のお会計25000円。

「金かかっても食いてえもんを食いてえだけ食うのがサイコウ!」と言う同期に深く同意を示し、少し多めに出した。

 

 

 

 

 

4/28 Fri.

大分出張最終日。

仕事が終わり次第、19:20の便で東京へ帰る。

 

 

朝工場に行くと、火曜日に飲んだ同期の内2人が発熱で欠勤と聞く。また出勤してる同期にも体調が悪いと言う者が…。

自分も昨日の飲み直後から喉に違和感…なんか悪寒もする気がする。

この日は14:30ごろに終わりだったのでそこまで頑張り、さあ帰ろうと言うところで、発熱欠勤中の同期がコロナだったと言う事実を聞く。

 

 

もう一泊するか悩んでいたが、症状が軽いうちに帰ってしまおうと言うことで空港に直行。大分駅からバスで1.5時間くらい。

バスの中で少し仮眠し、目覚めると身体がかなり熱っぽい。体感38〜39度くらいある。

 

熱があると飛行機乗せてもらえないんじゃないかと焦り、解熱剤で熱下げて突破できないかと薬局を探す。

空港内にはないが、空港から片道2kmの所にドラッグストアを発見。行くことに。

高熱下の地獄の行軍の途中、クソデカ鯉のぼりを発見。往復4kmで死にそうな心身に一筋のエモ。そういえば明日からGWか…

4km歩く間にどんどん体調悪化。空港着く頃には全身震えが止まらなかった。

 

 

 

解熱剤をキメて保安検査に行く前に、空港のレストランで最後の晩餐。りゅうきゅう丼の店に入る。

りゅうきゅう本当においしい…ブリかマグロかで10分近く悩んだが、ブリにしてよかった。自分の天才さに震える。

 

 

 

デザートを探してメニューを再び開くとやせうまがあり、また長考。朝ビュッフェのやせうまはそこまで美味しくなかったが…

 

 

出来立て熱々のやせうまは極上だった。

きしめんはコシはなく、フニャ、ベチャと言う感じ。熱々のフニャベチャにきな粉の和の甘味がとてもマッチしていた。

こう書くと凄くマズそうだが…しんどい心身に沁み渡った。

 

 

 

解熱剤を2倍量飲み、ガリガリくんを一気食いして少しでも体温を下げて保安検査へ。

しかしセルフで測る用のサーモカメラはいくつかあったが、体温監視に使われているものは大分にも羽田にもなくて拍子抜け。

搭乗拒否されたら路頭に迷うと思って色々身を削ったのに…ただ4km歩いて体調悪化させただけ?それじゃあ俺ただのバカじゃん。

 

 

大分駅→大分空港→羽田空港→家まで約7.5時間、最悪の体調+登山装備入りの20kgのスーツケースを引きずって、23:30に帰宅。

 

後日の検査でコロナ陽性となり、GWの予定はほぼ全て霧散した。

しかしあまり悲しみはなかった。大分で過ごした夢のような9日間が、ぼくだけのゴールデンウィークになった。